2025/08/26
持ち家がない人の老後はどうなる?賃貸のメリットや安定して暮らすコツも
持ち家がないまま老後を迎える場合、賃貸で暮らし続けることが現実的な選択肢の1つになります。
賃貸住宅には、住み替えのしやすさや維持費がかからないなどのメリットがある一方、家賃の支払いが続く点や、年齢によって契約に制限が出る可能性など、注意すべき点もあります。
この記事では、持ち家がない人の老後はどのような生活になるのかを整理し、賃貸暮らしのメリット・デメリットなどを解説します。
【この記事でわかること】
- 持ち家がない人の老後はどうなる?
- 老後に持ち家がない人が賃貸に住み続けるメリット・デメリット
- 持ち家がない人が老後に安定して暮らすコツ
- 持ち家がない人が老後の資金計画を立てる流れ
持ち家がない人の老後はどうなる?
老後を迎えるときに持ち家がない場合、生活費に加えて家賃がかかることになります。 住まいの確保や収入とのバランスを考えると、不安に感じる人もいるでしょう。
とはいえ、現在は多様な住まい方があり、持ち家がなくても老後の暮らしを成り立たせることは十分可能です。
ここでは、老後の暮らしに関する項目として以下を解説します。
- 老後に必要な生活費の平均額
- 老後に必要な生活費以外の支出
- 老後に持ち家がない人の選択肢
老後に必要な生活費の平均額
総務省の「家計調査(2023年)」によると、65歳以上の単身世帯では月およそ14万5,000円、夫婦世帯では25万円前後が平均的な支出とされています。
中には、食費・光熱費・医療費・通信費など、日常生活の基本的な費用が含まれています。
持ち家がない場合は、これに家賃が加わります。 住まいの地域や物件によって差はありますが、月5万〜10万円程度を想定すると単身で約20万円、夫婦なら30万円を超えることもあります。
※参考: 統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)|総務省統計局
老後に必要な生活費以外の支出
日常的な生活費のほかにも、老後にはさまざまな出費が考えられます。
たとえば、介護保険料や健康保険料などの社会保険料、冠婚葬祭の費用、家電・家具の買い替えなどが挙げられます。
旅行や趣味にかかる費用、子どもや孫への援助といった支出が発生することもあるでしょう。
これらは月ごとの固定費ではありませんが、ある程度まとめて支払うケースが多いため、年単位で予算に入れておく必要があります。
老後に持ち家がない人の選択肢
持ち家がない人の暮らし方は、賃貸住宅に住み続けるだけではありません。 老後に持ち家がない人の選択肢として、主に以下が挙げられます。
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 高齢者専用賃貸住宅
- マンスリーマンション
- シェアハウス など
また、家族と同居する人もいれば、地方や海外へ移住するケースもあります。
それぞれ費用や入居条件が異なるため、生活スタイルや体調、サポート体制などに合わせて検討されることが多くなっています。
老後に持ち家がない人が賃貸に住み続けるメリット
ここでは、老後に持ち家がない人が賃貸に住み続けるメリットとして以下を解説します。
- 税金や大規模修繕費がかからない
- 引っ越しや住み替えがしやすい
- 相続トラブルのリスクがない
税金や大規模繕費がかからない
賃貸物件では、固定資産税や都市計画税など、不動産にかかる税金は発生しません。 これらの税負担はオーナー側が支払うため、入居者にとっては毎年の出費を抑えやすい環境といえます。
また、建物の修繕や設備の不具合があった場合も、多くは管理会社やオーナーの対応となります。 外壁や屋根の改修などの大規模修繕費を負担する必要がない点も、賃貸のメリットです。
ただし、軽微な修繕・原状回復費などは必要になるケースがあります。
引っ越しや住み替えがしやすい
賃貸住宅は、住み替えや引っ越しが比較的自由に行えるのが特徴です。 たとえば、健康状態や家族構成の変化、近隣環境の変化などに応じて、物件を選び直すことができます。
バリアフリー設備が整った物件や、医療機関の近くにある物件など、自分の状況に合った住環境を柔軟に選べるのは、持ち家にはない賃貸ならではの利点といえます。
相続トラブルのリスクがない
持ち家がある場合、相続時に不動産をどう分けるかで親族間のトラブルが起きるケースもあります。
不動産は現金のように分割しにくいため、話し合いが長引いたり、揉め事になったりすることも少なくありません。
一方、持ち家を所有していなければ、相続に関する問題が発生しにくくなります。 不動産にまつわる名義変更や管理の手間もなく、身の回りの整理が比較的シンプルになるでしょう。
老後に持ち家がない人が賃貸に住み続けるデメリット
賃貸住宅には柔軟な住み替えや管理面の負担が少ないといった利点がある一方、以下のようなデメリットもあります。
- そもそも入居できないケースがある
- 長期的に家賃の支払いが発生する
- バリアフリー化できない
そもそも入居できないケースがある
高齢になると、賃貸物件への入居が難しくなることがあります。 理由として、家賃の支払い能力や健康状態への不安、万が一の対応を懸念するオーナー側の事情が挙げられます。
特に単身の高齢者では、保証人の確保や緊急連絡先の提示を求められることが多く、希望していた物件に入居できない例も少なくありません。
長期的に家賃の支払いが発生する
賃貸住宅では、住み続ける限り家賃の支払いが必要です。 住宅ローンの完済によって居住コストが下がる持ち家と比べて、賃貸では支出が途切れることがありません。
年金や貯蓄から毎月一定額を支払う必要があるため、退職後の収入が限られる中で、家計に占める家賃の割合が大きくなりやすいのが特徴です。
賃料の上昇や、物価の変動に影響を受ける可能性もあります。
バリアフリー化できない
身体の状態が変化する老後には、手すりの設置や段差の解消など、住まいのバリアフリー化が求められる場面も増えてきます。
しかし、賃貸物件では原状回復義務があるため、勝手にリフォームや改修はできません。
必要な工事を行うにはオーナーの許可が必要になり、対応が難しいこともあります。 住環境を思い通りに整えにくい点は、持ち家と比べたときの大きな違いのひとつです。
持ち家がない人が老後に安定して暮らすコツ
賃貸で老後を迎える場合、長く安心して暮らすには、住まいにかかる費用や収入の見通しを整理しておくのが重要です。
ここでは、持ち家がない人が老後に安定して暮らすコツを紹介します。
- 老後の収入・支出をシミュレーションしておく
- 家計の見直しを図る
- 可能な限り長く働く
- 家賃補助・公的支援制度を有効活用する
- 資産運用を検討する
老後の収入・支出をシミュレーションしておく
老後の生活設計を立てるうえで、毎月どれくらいの支出があるのかを整理しておくのが大切です。 家賃や食費、光熱費、医療費などを洗い出し、公的年金などの収入と照らし合わせれば、資金の不足分が見えてきます。
どのくらい貯蓄が必要なのか、補填にどの収入源が使えるのかといった判断がしやすくなり、計画も立てやすくなります。 数字で把握しておけば、漠然とした不安が和らぐでしょう。
家計の見直しを図る
支出の内訳を見直すことで、生活にかかるコストを抑えられます。
特に、保険料や通信費といった固定費は、契約内容を見直すことで削減しやすい項目といえます。 日用品や食費も、買い方や使い方を工夫することで無理なく節約につなげられるでしょう。
まずは家計の全体像を整理し、改善できるポイントを洗い出すことが第一歩です。
可能な限り長く働く
体力や希望に応じて働き続けることで、年金以外の収入を得られるようになります。
近年、定年後も雇用が継続される制度やシニア層向けのパート、アルバイト求人なども増えています。 継続就労によって、年金の繰り下げ受給による増額を狙うことも選択肢の1つです。
家賃補助・公的支援制度を有効活用する
高齢者向けに、家賃補助を行っている自治体もあります。 また、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅や、家賃負担の軽減につながる制度が用意されている地域も存在します。
ほかにも、医療・介護・生活支援に関する補助制度など、公的な支援を組み合わせることで、家計の安定につながるはずです。
資産運用を検討する
老後資金にある程度の余裕がある場合、預貯金だけでなく資産運用を視野に入れることも1つの方法です。
つみたてNISAやiDeCoといった制度を利用すれば、税制上の優遇を受けながら、長期的な資産形成を進められます。
将来に向けて安定した賃貸生活を維持していくためには、住まいやお金に関する備えを早めに整えておくのが重要です。
持ち家がない人が老後の資金計画を立てる流れ
老後も賃貸で暮らす場合は、家賃の支払いが一生続くことになります。 生活費を年金だけでまかなうのが難しいケースもあるため、早い段階で資金の見通しを立てておくのが大切です。
老後に備えた資金計画の流れは、主に以下のとおりです。
- 老後にかかる生活費を計算する
- 年金などの収入額を確認する
- 支出と収入の差額を出す
- 必要な貯蓄額を試算する
- 足りない分の備え方を検討する
まずは、毎月の家賃や食費、光熱費、医療費といった基本的な支出を洗い出します。 家具の買い替えや冠婚葬祭、旅行などの臨時的な出費も含めておくと、より現実的な数字になります。
次に、公的年金や退職金、企業年金、iDeCoなど、老後に得られる収入を把握します。 そのうえで、毎月どれくらい不足するかを計算すれば、貯蓄額のおおよその見通しが立つでしょう。
足りない部分については、働く期間を延ばしたり、公的制度を活用したり、資産運用を組み合わせたりすることで補っていくことが考えられます。
複数の手段を検討しておくことで、将来の選択肢を広げやすくなるでしょう。
持ち家がない人は老後の資金計画が重要
老後を賃貸で暮らす場合、家賃を含む住まいのコストが長期にわたって発生し続けます。 年金だけでは生活が厳しくなるケースもあるため、支出と収入のバランスをふまえた資金計画を立てておくことが重要です。
一方、将来的な不安を感じる方の中には、「そもそも賃貸で暮らし続けてよいのか」と疑問を持つ人も少なくありません。 ライフスタイルや予算に合わせて、無理のない「持ち家の選択肢」を検討するのも有効な手段です。
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