2025/04/30

持ち家にかかる税金はいくら?軽減措置も紹介やシミュレーションで検証

持ち家にかかる税金はいくら?軽減措置も紹介やシミュレーションで検証

この記事では、持ち家にいくら税金がかかるのかについて解説します。

持ち家を所有する上で、税金の支払いは避けられません。税金は毎年かかるものもあれば、購入時や売却時のみにかかる税金もあります。

また、持ち家の税金は建物の構造や立地、土地の広さによって金額が大きく変わるため、事前に知っておくことが重要です。この記事では、持ち家にかかる税金に適用できる減税措置についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • 持ち家の購入時にかかる税金一覧
  • 持ち家を維持するためにかかる税金一覧
  • 持ち家の税金に適用できる減税措置

持ち家の購入時にかかる税金一覧

持ち家の購入時にかかる税金一覧は以下のとおりです。

  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税

持ち家は保有しているときだけでなく、購入する際もかかります。税額が数千円から数十万円と幅広いので、事前にしっかりと確認して資金計画を立てることが重要です。

不動産取得税

不動産取得税は、土地・建物の購入や贈与、改築などを行った場合にかかる税金です。

購入時が支払うタイミングで、計算方法は以下のとおりです。

不動産取得税=取得した不動産の価格×税率(不動産価格の3%)

※参考:不動産取得税|東京都主税局

また、持ち家を購入する際は土地と建物の両方に税金がかかる点に注意しましょう。

法律上、持ち家は建物と土地が別の不動産として課税されるため、不動産取得税は両方の金額を合計したものがかかります。

特に、戸建ての場合はマンションよりも課税される面積が増えるため、不動産取得税の仕組みに注意して購入することが重要です。

印紙税

印紙税は、契約書などの文書を作成した際にかかる税金です。

持ち家の場合は「不動産譲渡契約書」と「建設工事請負契約書」を作成する際にかかります。

印紙税は契約金額によって税額が決まり、以下のとおりに増えていきます。

契約金額 税額
不動産譲渡契約書 建設工事請負契約書
10万円超〜50万円 100万円超〜200万円 400円
50万円超〜100万円 200万円超〜300万円 1,000円
100万円超〜500万円 300万円超〜500万円 2,000円
500万円超〜1,000万円 1万円
1,000万円超〜5,000万円 2万円
5,000万円超〜1億円 6万円
1億円超〜5億円 10万円
5億円超〜10億円 20万円
10億円超〜50億円 40万円
50億円超 60万円

※参考:印紙税額の一覧表|国税庁

印紙税は持ち家の購入時にかかる税金で、支払いは1回です。印紙税は、書類に効力をもたせるのに欠かせない税金だといえます。

登録免許税

登録免許税は、土地や建物の所有権を登記するときや、移転する際にかかる税金です。

土地に関する登録免許税は以下のとおりです。

内容 税額
売買 不動産価格の2%
相続、法人の合併または共有物の分割 不動産価格の0.4%
その他

 

(贈与・交換・収用・競売等)

不動産価格の2%

※参考:登録免許税の税額表|国税庁

また、建物に関する登録免許税は以下のとおりです。

内容 税額
所得権の保存 不動産価格の0.4%
売買または競売による所有権の移転 不動産価格の2.0%
相続または法人の合併による所有権の移転 不動産価格の0.4%
その他の所有権の移転(贈与・交換・収用など) 不動産価格の2.0%

※参考:登録免許税の税額表|国税庁

登録免許税は不動産取得税と同様に、建物と土地の税額分を支払います。登録免許税を支払うことで、土地と建物の所有者が自分であることの証明になります。

消費税

消費税は、商品やサービスを購入する際に支払う税金で、事業者が納付する税金です。2025年4月時点の消費税は10%で、1,000万円の建物を購入した場合は100万円の消費税がかかります。

また、消費税は土地の譲渡や貸付が課税対象外のため、支払う消費税は建物の価格分のみです。

消費税がかかるのは持ち家を購入するときのみで、固定資産税にも消費税はかかりません。

※参考:消費税のしくみ|国税庁

持ち家を維持するためにかかる税金一覧

持ち家を維持する上でかかる税金は以下の2つです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税

固定資産税

固定資産税は、土地や建物を所有している人に対して徴収される税金です。固定資産税は土地と建物(家屋)に分かれていて、この2つの合計が固定資産税として徴収されます。

それぞれの計算方法は以下のとおりです。

<土地の固定資産税>

 

● 課税標準税額×税率(※)

<建物(家屋)の固定資産税>

● 課税台帳に登録されている価格×税率(※)

※地域によって税率は異なる

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

固定資産税の支払いは、原則として年に一度通知が届き、4回に分けて納める仕組みです。

不動産を所有しているだけで固定資産税が発生するため、住んでいなくても維持費として徴収されます。

また、固定資産税評価額は3年に1回見直しをされ、価格の高騰などによって急に高くなる可能性があります。持ち家を購入する場合は、あらかじめ価格動向を把握しておくことが重要です。

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

都市計画税

都市計画税は、街のインフラ整備などを目的として徴収される税金です。固定資産税と一緒に課税され、納税通知書もまとめて届きます。

都市計画税の課税対象は特定の「市街化区域」にある不動産で、すべての地域で課されるわけではありません。都市計画税の計算方法は以下のとおりです。

固定資産税評価額×0.3%

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

同じ構造や間取りの住宅でも、課税対象の地域かどうかで税額が大きく異なります。

持ち家を購入する場合は、その地域が都市計画税の課税対象なのか、都市計画税がどれくらいかかるのかなどを考えた確認した上で購入を検討しましょう。

特に、都心部に持ち家を購入したい人は、毎年かかる維持費の1つとして考えておくと資金計画に役立ちます。

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

持ち家の税金に適用できる減税措置

ここでは、持ち家の税金に適用できる以下の減税措置について解説します。

  • 不動産取得税の減税措置
  • 印紙税の減税措置
  • 登録免許税の減税措置
  • 固定資産税の減税措置
  • 都市計画税の減税措置

主税局や国税庁などは、持ち家にかかる税金に適用できる減税措置を用意しています。それぞれに一定の条件が設けられているので、それを満たすために確認しておくことが重要です。

不動産取得税の減税措置

持ち家の土地と建物の床面積が一定の条件を満たすと、購入時の不動産取得税が減税されます。減税措置の適用条件は以下のとおりです。

  下限 上限
一戸建ての住宅 一戸建て以外の住宅
貸家以外 50㎡以上 50㎡以上 240㎡以下
貸家 50㎡以上 40㎡以上 240㎡以下

上記の条件を満たす新築は、固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。

また、土地についても上記に加えて一定の条件を満たすと減税措置を受けられます。詳しくは、主税局や各都道府県などの公式ホームページで確認しましょう。

※参考:不動産取得税|東京都主税局

印紙税の減税措置

印紙税は不動産を購入する際にかかる税金で、不動産譲渡契約書や建設工事請負契約書に対して課税されます。

それぞれ、以下の条件を満たすと契約金額に応じた一定額が減税されます。

契約書類 条件
不動産譲渡契約書 ● 契約金額が10万円以上

 

● 令和6年4月1日〜令和9年3月31日の間に作成されたもの

建設工事請負契約書 ● 契約金額が100万円以上

 

● 令和6年4月1日〜令和9年3月31日の間に作成されたもの

契約金額に応じた、実際の控除額は以下のとおりです。

契約金額 減税前 減税後
不動産譲渡契約書 建設工事請負契約書
10万円超〜50万円 100万円超〜200万円 400円 200円
50万円超〜100万円 200万円超〜300万円 1,000円 500円
100万円超〜500万円 300万円超〜500万円 2,000円 1,000円
500万円超〜1,000万円 1万円 5,000円
1,000万円超〜5,000万円 2万円 1万円
5,000万円超〜1億円 6万円 3万円
1億円超〜5億円 10万円 6万円
5億円超〜10億円 20万円 16万円
10億円超〜50億円 40万円 32万円
50億円超 60万円 48万円

※参考:印紙税の軽減措置の延長について|国税庁

契約金が1億円を超えるまでは、基本的に印紙税が半額ほど減税されます。

ただし、条件として令和9年以内に書類を作成する必要があるため、減税措置を受けたい場合はそれまでに持ち家の手続きを進めなければなりません。

登録免許税の減税措置

登録免許税は、不動産を購入して登記するときにかかる税金で、以下のような条件を満たすと減税措置を受けられます。

● 取得後1年以内の不動産であること

 

● 床面積が50㎡以上であること

上記の条件を満たすことで、登録免許税の減税措置を受けられます。

減税措置で受けられる恩恵は以下のとおりです。

  措置前の税率 措置後の税率
所有権の保存登記 0.4% 0.15%
所有権の移転登記 2% 0.3%

※参考:登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|税務署

登録免許税の減税措置は税率が大きく減らせるため、条件を満たしている場合は必ず申請しましょう。

※参考:登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|税務署

固定資産税の減税措置

固定資産税の減税措置は、土地と建物それぞれに適用可能です。

建物の減税措置に関する詳細は以下のとおりです。

条件 減税率 減額期間
床面積が50㎡〜280㎡ 1/2 3年間(3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年間)
マンションの場合、居住部分の床面積が全体の1/2

※参考:新築住宅にかかる税額の減額措置|国土交通省

また、土地の減税措置に関する詳細は以下のとおりです。

住宅用地 金額
小規模住宅用地(200㎡以下の場合) 固定資産税評価額の1/6
一般住宅用地(200㎡以上の場合) 固定資産税評価額の1/3

※参考:新築住宅にかかる税額の減額措置|国土交通省

固定資産税は毎年支払う税金で、減税措置が適応されると恩恵を受けやすいのが特徴です。

減税措置の条件を満たしつつ、自分の理想に近い建物や土地を購入しましょう。

都市計画税の減税措置

都市計画税の減税対象となるのは、小規模住宅用地や一定の条件を満たす住宅用地などです。

小規模住宅用地とは、住宅1戸あたり200平方メートル以下の土地で、課税評価額が通常より低くなるため、都市計画税の負担が軽くなります。

また、住宅として利用されていることが条件のひとつになるため、使用状況によって適用が分かれます。都市計画税の適用条件、減税率は以下のとおりです。

適用条件 減税率
小規模住宅用地(200㎡以下の場合) 1/3
一般住宅用地 2/3

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

固定資産税とあわせて減税されるため、都市計画税がかかる地域で持ち家を購入する場合は、適用条件をよく確認しましょう。

持ち家の税金に関するよくある質問

ここでは、持ち家の税金に関するよくある質問に回答します。

  • 持ち家の固定資産税はいつまでに誰が払う?
  • 持ち家の固定資産税が払えないときはどうする?
  • 持ち家の固定資産税が増額するケースは?

持ち家の固定資産税はいつまでに誰が払う?

持ち家の税金を支払うタイミングは、毎年決められた4回の納期限内です。なお、自治体によって納期限は異なります。参考として、2025年度における岐阜県の納期限は以下のとおりです。

  納期限(2025年度)
第1期 2025年4月30日
第2期 2025年7月31日
第3期 2025年12月25日
第4期 2026年3月2日

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

固定資産税の納付方法は、銀行やコンビニ、口座振替などです。

また、支払いについては、日割り計算で売主と買主の間で負担を分けることが一般的です。登録免許税や不動産取得税など、購入時に一度だけ支払う税金は、それぞれのタイミングで手続きが必要になります。

※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

持ち家の固定資産税が払えないときはどうする?

持ち家の固定資産税が払えないときの救済措置として、猶予制度が設けられています。

猶予制度は災害や失業などにより一時的に支払いが困難になった人に対して、納税を延期または分割で支払えるようにする制度です。

申請には収入状況や資産の確認が必要で、承認されれば延滞金も免除される可能性があります。また、猶予制度は市区町村が実施しており、内容や手続きは自治体によって異なります。

持ち家の固定資産税が増額するケースは?

持ち家の固定資産税は、主に以下のケースで増額します。

  • 軽減措置が終了した場合
  • 評価額が3年ごとの見直しで上昇した場合
  • 増改築やリフォームを実施した場合
  • 用途変更や住宅以外の利用が生じた場合
  • 小規模住宅の要件から外れた場合

固定資産税が増額する原因として、評価の見直しや適用条件から外れるケースが多くあります。持ち家が都内にある場合は土地評価額が上がりやすく、増額に影響するでしょう。

持ち家の固定資産税が増額する原因やタイミングを、適切に理解することが重要です。

持ち家の税金は軽減措置で負担を減らそう

この記事では、持ち家にかかる税金について、計算方法や減税措置などを解説しました。

持ち家にかかる税金は種類が多く高額になりがちですが、工夫すれば節税できるでしょう。

とはいえ、家づくりを自分の知識だけで進めるには一定の限界があるので、プロに相談しながら最適なプランや資金計画を立てることが非常に重要です。

シンプルホームでは、岐阜県を中心に家づくりのプランだけでなく資金計画などのご相談もお客様に寄り添いながら承ります。

持ち家を検討しているものの、税金に不安がある人はぜひシンプルホームにご相談ください。