2025/05/30
頭金なしでも建売住宅は購入できる?相場やメリット・デメリットも解説

この記事では、頭金なしでも建売住宅は購入できるのかを解説します。
従来、住宅を購入するには物件価格の2〜3割程度の頭金が必要とされてきましたが、金融機関による100%融資対応が広がっており、頭金なしで購入できる事例も増えています。
経済状況の変化や金融機関の住宅ローン制度の多様化により、自己資金が少なくてもマイホームを手に入れるチャンスが広がっているといえるでしょう。
この記事では、建売住宅の頭金が用意できないときの対処法や、建売住宅で頭金なしにするメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 頭金なしで建売住宅は購入できる?
- 建売住宅を頭金なしで購入するメリット
- 建売住宅を頭金なしで購入するデメリット
- 建売住宅の頭金が用意できないときの対処法
頭金なしで建売住宅は購入できる?
結論として、頭金なしでも建売住宅の購入は可能です。
多くの金融機関では、物件価格の100%をカバーする住宅ローン商品が提供されており、自己資金ゼロでも審査に通れば購入できます。
建売住宅は価格があらかじめ設定されており、ローン審査も比較的通りやすい傾向にあります。ただし、住宅ローンに依存する割合が高くなるため、将来の返済負担は大きくなる点には注意が必要です。
頭金以外にも諸費用の負担が発生する
頭金以外にも、登記費用・火災保険料・ローン事務手数料・仲介手数料・引越し費用など、さまざまな初期費用がかかります。
費用項目 | 金額の目安(※物件価格の割合) | 内容 |
登記費用 | 約0.5〜1% | 所有権移転登記・抵当権設定登記などの手数料 |
ローン事務手数料 | 約0.5〜2% | 金融機関への手数料。定額または借入額に応じて変動 |
保証料または保証会社利用料 | 約0.2〜2% | ローンの保証を第三者に依頼する場合に発生 |
火災保険料 | 約5万〜20万円程度 | 保険期間や補償内容によって異なる |
印紙税 | 数千円〜数万円 | 売買契約書に貼付する印紙にかかる税金 |
仲介手数料(該当時) | 最大物件価格の3%+6万円+税 | 仲介会社を利用する場合のみ発生 |
引越し費用 | 数万円〜20万円程度 | 移動距離や荷物量によって変動 |
家具・家電の購入費用 | 数十万円〜 | 新生活の初期投資として考慮 |
これらの諸費用は物件価格の5〜10%程度が目安とされ、現金での支払いを求められるケースも少なくありません。
そのため、たとえ頭金を用意しなくても最低限の資金は事前に確保しておくことが現実的です。
建売住宅の購入で支払う頭金の相場は平均いくら?
住宅金融支援機構が公表したフラット35利用者調査によると、住宅種別ごとの頭金の平均額と購入価格に対する割合は以下のとおりです。
住宅種別 | 頭金の平均額(万円) | 購入価格に対する頭金の割合(%) |
建売住宅 | 197.1 | 6.5 |
注文住宅 | 647.9 | 16.6 |
土地付き注文住宅 | 419.3 | 8.7 |
建売住宅では、頭金の平均額が197.1万円で、購入価格に対する頭金の割合は6.5%でした。このことから、建売住宅の頭金は200万円を目安にするのがおすすめです。
注文住宅では約650万円、土地付き注文住宅では約420万円となっています。このデータを参考・目安にして頭金を用意することをおすすめします。
建売住宅を頭金なしで購入するメリット
ここからは、建売住宅を頭金なしで購入する以下のメリットについて解説します。
- 良い物件を買い逃す可能性が低くなる
- 現金を減らさずに物件の購入ができる
- 頭金が貯まるまで住宅購入を待つ必要がない
良い物件を買い逃す可能性が低くなる
建売住宅は完成済みの物件が多く、立地や間取り、価格など条件の良いものはすぐに売れてしまう傾向にあります。
頭金を用意するために購入を先延ばしにしていると、その間に他の買主に先を越される可能性があります。
一方、頭金なしで購入する場合は資金準備の時間が不要になるため、気に入った物件をすぐに確保でき、購入のチャンスを逃しにくくなるでしょう。
現金を減らさずに物件の購入ができる
頭金なしで住宅を購入すれば、手持ちの現金を使わずに済むため、生活費や急な出費への備えを維持できます。
引越し費用や家具・家電の購入費用など、住宅購入後にも多くの支出が発生するため、現金を手元に残せることは大きな安心材料です。
子育て世帯や転職直後など、ライフスタイルの変化が予想される家庭にとって、柔軟に資金を使える点は大きなメリットになります。
頭金が貯まるまで住宅購入を待つ必要がない
一般的に頭金を準備するには数年単位の期間がかかることもあり、その間は賃貸に住み続ける必要があります。
一方、頭金なしで住宅を購入できれば、貯金を終えるのを待たずにマイホームを手に入れることが可能です。
住宅ローンの返済が早く始まる分、完済時期も早まり、将来的な資産形成にもつながります。
建売住宅を頭金なしで購入するデメリット
ここでは、建売住宅を頭金なしで購入する以下のデメリットについて解説します。
- 住宅ローン審査に通りにくくなる
- 住宅ローンの返済額や返済期間が増える
- 手付金の支払いが困難になる
住宅ローン審査に通りにくくなる
自己資金ゼロで住宅を購入しようとすると、金融機関にとってはリスクが高いと見なされやすくなります。
借入希望額が全額融資に近い場合、審査に通るためには年収や信用情報、勤続年数などの条件がより厳しくチェックされる傾向にあります。
初めて住宅ローンを組む人にとっては、頭金がないことで審査通過のハードルが上がり、希望通りの融資が受けられないおそれがあるでしょう。
住宅ローンの返済額や返済期間が増える
頭金を用意せずに住宅を購入すると、住宅ローンの借入額が増えるため、その分返済の負担が大きくなります。
ローンの金額が膨らめば、月々の支払い額が上がるか、もしくは返済期間を長く設定せざるを得なくなることがあります。
結果として、利息の支払い総額が多くなり、トータルの支出が増えてしまいます。あらかじめ、資金計画をしっかり立てておきましょう。
手付金の支払いが困難になる
住宅購入時には通常、売買契約の締結時に「手付金」を支払う必要があります。
手付金は物件価格の5%〜10%程度が一般的ですが、頭金を用意していないと手付金すら手元から捻出することが難しくなる場合もあるでしょう。
融資実行前に必要となる支払いのため、あらかじめ現金を確保しておくことが重要です。
建売住宅の頭金が用意できないときの対処法
ここからは、建売住宅の頭金が用意できないときの対処法について解説します。
- 親族から資金援助してもらう
- 贈与を受け取る
- 金融機関でフルローンを組む
親族から資金援助してもらう
頭金を自分で用意できない場合、家族や親族に一時的な援助をお願いするのも1つの方法です。
資金に余裕のある両親などが、住宅取得に協力してくれるケースは少なくありません。正式な借用書を交わすことで、後々のトラブルを防ぐこともできるでしょう。
また、金銭的な援助は困難でも、引越し費用や家具購入費などを補填してもらう形も検討できます。まずは、率直に相談してみるのが第一歩です。
贈与を受け取る
一定額以内であれば、親や祖父母などから住宅取得資金として贈与を受けても、贈与税がかからない特例制度があります。
この制度を活用すれば、税負担なくまとまった資金を受け取ることが可能です。ただし、適用には年齢や住宅の条件など一定の要件があるため、税務署や専門家に相談しながら進める必要があります。
贈与として受ける場合は資金の用途を明確にし、後々の説明責任にも備えることが重要です。
金融機関でフルローンを組む
自己資金がなくても、物件価格の全額を住宅ローンでまかなうフルローンを利用できる場合があります。頭金が不要となり、すぐに購入手続きへ進むことが可能です。
ただし、借入額が多くなる分、毎月の返済負担が重くなるほか、金利の影響も大きくなるため注意が必要です。
金融機関の審査はより厳格になる傾向にあるので、事前に信用状況を整えておくことが重要です。
頭金なしで建売住宅を購入するときのよくある質問
最後に、頭金なしで建売住宅を購入するときのよくある質問に回答します。
- 頭金なしで建売住宅を購入する場合の初期費用はいくら?
- 建売住宅の頭金はいつ払う?
- 頭金なし・貯金なしでマイホームを買うのは困難?
頭金なしで建売住宅を購入する場合の初期費用はいくら?
頭金を支払わない場合でも、購入時にはさまざまな初期費用がかかります。
主な内訳として、契約書に貼る印紙代、不動産会社への仲介手数料、登記費用、住宅ローンの事務手数料、火災保険料などがあります。これらは、物件価格の5〜10%程度が目安です。
たとえば、3,000万円の住宅なら150万〜300万円ほどが必要になることもあります。初期費用も借入でカバーできる場合がありますが、事前に資金計画を立てておくことが重要です。
建売住宅の頭金はいつ払う?
頭金は通常、売買契約の締結後、物件の引き渡しまでに支払います。
契約時に「手付金」として一部を先に支払い、残りを引き渡し時に支払う形が一般的です。頭金が不要な場合でも、手付金などの現金が求められることがあるため、全くのゼロ円では進まないケースもあるでしょう。
ローンの実行タイミングや売主の条件によって支払い時期は異なるので、事前に確認しておくことが重要です。
頭金なし・貯金なしでマイホームを買うのは困難?
頭金も貯金もない状態で家を購入することは可能ですが、難易度は高いといえるでしょう。
ローンの審査は厳しくなりがちで、フルローンや諸費用ローンが通るかどうかは年収や信用情報によって左右されます。
また、引越し代や家具家電の購入など、融資では賄えない費用も発生します。貯蓄がゼロだと、万一のトラブルにも対応しにくいため、できれば少額でも現金を手元に残すように準備するのが安心です。
建売住宅の購入を検討するならなるべく頭金を用意しよう
この記事では、頭金なしでも建売住宅が購入できることを解説しました。
頭金なしで購入する場合は現金を減らさないなどのメリットがあります。デメリットは、ローンの負担増や審査の厳しさなどです。
無理のない住宅購入を実現するためには、できるだけ頭金を準備し、計画的に進めることが重要です。
シンプルホームでは、岐阜県内でさまざまな建売住宅を販売しています。
頭金なしでも建売住宅を購入する場合や、その他の資金計画などについてもお客様に寄り添いながらご相談を承ります。公式サイトから住宅の見学予約ができるので、ぜひ一度シンプルホームの建売住宅に起こしください。